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540万人と1366万人

家事を楽しむ男を増やす。
男の家事教室カジオスの尾上です。

新聞の1面に70歳以上の就業者が24年は540万人で、14年比で7割も増えたという記事が載っていました。就業者に占める65歳以上は全業種平均14%もいるそうです。
その裏の2面には、15歳未満の人口は1366万人(推計)で前年より35万人少なく、44年連続の減少という記事が載っていました。
日本社会の表裏も表しているように感じるのは私だけでしょうか。

家事を通してさまざまな世代の男女と関わっている肌感としては、一概には言えませんが、体調や老後資金のなどの不安はありつつも元気で楽しそうなのは高齢者で、子供、仕事、育児など悩み多きは若年層です。
今月から高齢者向けの自立支援講座が始まりましたが、平均年齢80歳オーバーで、最高齢は90歳の男性です。

働くことに関しては、背負う物が少ない高齢者は、孫のお小遣いや自分の趣味のための生きがいとして働き、若年層は満載のToDoリストをこなすために働くといった感じでしょうか。
高齢者が元気に長く働いてくれれば、社会問題となっている社会保障費の上昇抑制には効果があるでしょうから非常に良いことで、そうなると問題はやはり少子化です。

昭和的な「男性は仕事、女性は家庭」という考え方はなくなりつつあり、「共働き・共育て」の考え方が相当浸透してきている感じはします。
ただ、問題と思うのは、考え方は浸透してきていますが行動が伴っていないということです。
共働きは実践されていますが、共育て、カジオス目線でいうと共家事はまだまだ実践されていませし、女性に比べ男性の意識の低さを感じます。
10時間を超える長時間労働をこなして、家に帰ったら共育て、共家事って言われてもToDoリストがいっぱいで・・・と言うところでしょうか。

この事は、自治体が男性向けのカジオス講座参加者を募集した場合に、想定したほど人が集まらないことからも分かります。
有料のカジオス講座でしたら経済的負担がネックになることが考えられますが、自治体の講座は基本受益者負担ゼロの場合がほとんどですが、それでもです。
わざわざ家事を習いに行かなくてもと考えているのかも知れませんが、少子化対策の上位には家事・育児を担えるようにすることが挙がっていますし、実際に担えない男性が多いという状況を耳にします。

人が集まらないときにカジオスがお勧めする方法は、女性に男性パートナーを連れて一緒に参加してもらうことです。
女性は男性の家事育児参加を切に願っていますので(クオリティーが伴う場合だけ?)、ちょっと強引にでも連れてきてくれます。
終了後のアンケートで、女性の感想としてよく目にするのは、男女の考え方の違いが分かったのでパートナーと接するときのアプローチを変えてみます、というものです。
カジオスでは「スキーマ」についてお話をするのですが、簡単に言うと見えている世界観、考えの及ぶ範囲のことで、無意識のうちに脳が判断していることです。
この存在を知ると、アプローチの方法が変わり、イライラ感が軽減される実感を持ってもらえるようです。

育児介護休業法で男性が会社を休み易くなっていますが、家庭内での行動、実行力、戦闘力が伴わないとタダの有給休暇になってしまい、女性の疲労感が増すばかりです。
女性が働きやすい環境かどうかは、パートナー男性の家事育児関与度に大きく左右されます。
男性の家事育児参加は、男性の仕事の生産性を上げるというデータが示されていますが、まだ休業は負担と考えている経営層が多いようです。
それなら先ずは、自社の女性従業員のパフォーマンスを上げるために、他社に勤めるパートナー男性の家事育児能力を高めればよく、男性の休業は自社のパフォーマンスには影響なく、自社の女性社員のパフォーマンスが上がります。

カジオスで考えているのは、男性がどうすれば内発的動機付けにより積極的に家事育児に関与してくれるか、という内容の女性向け社内研修です。
ここでのポイントは、ToDoリストに作業を加えることではなく「内発的動機付け」に着目した点です。
本能に働きかける手法は、モノを売るマーケティングでも取り入れているやり方です。
無理やり強制したのではパフォーマンスが上がらず、クオリティーも日進月歩とはなりません。

家事育児は、女性目線だけではとらえず、男性目線で切り口を変えることで新たな展開が生まれるのではないでしょうか。
男子厨房に入らず的な考えを持っている男性高齢者の中にも、無理やりカジオス講座に連れて来られて料理にはまり、今でも元気に独居を続けている人たちがいます。
やる気にさせるところから始めてみては如何でしょうか。

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