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代表挨拶

カジオス®代表 尾上元彦
「授人以魚 不如授人以漁」は老子の言葉で、魚を渡せば1日は食べられるが、魚の捕り方を教えれば一生食べられる、という意味です。
カジオス®では、男性が家事に興味を持ち、内発的動機付けにより自律し、長く充実した暮らしを楽しむための学びに重点を置いています。
男性が仕事で身につけた時間管理、予算管理、段取りなどは、料理、掃除、洗濯などの家事を効率よくこなすためにも必要となります。
家事と仕事には似た要素が多くありますので、仮説・検証などのビジネスプロセスを取り入れ、男性目線で「仕事力」を「家事力」に変換する気付きを提供し、男性に響かせることで、全世代の男性の家事参加を促進します。
家事は日常生活を健康で、快適で、円滑で・・・楽しくするために不可欠な行為です。
この様な家事を手段として使い、高齢者のQOL維持、フレイル予防、健康寿命延伸、男女共同参画社会、ジェンダー平等、家庭と仕事の両立など、様々な社会問題に対応し、活力ある社会を創造していくことがカジオスの使命だと考え活動しています。
男性・女性関係なく、家事の動機づけ、家事スキル、家事シェアなどに関するお悩み、ご相談は、お気軽に問い合わせフォームからご連絡下さい。
最近、ご要望により「して差し上げる」サービスを開始しました。
本来カジオスは「出来るようになって頂く」サービスですが、カジオスの受講者も何らかの支援を必要とする年齢になってきました。
そんな方々の暮らしに寄り添い、住み慣れた家で長く暮らせるようにと願いをこめ、サービス名を「クラソウ®」としました。
介護保険外の家事お手伝いサービス「クラソウ®」につきましても、お気軽に問い合わせフォームからご連絡下さい。
取得資格
調理師/クリーニング師/ハウスクリーニングアドバイザー/介護職員初任者研修課程修了/福祉住環境コーディネーター2級/整理収納アドバイザー2級/メンタルヘルス・マネジメントⅡ種/職長・安全衛生責任者/有機溶剤作業主任者/乙種第四類危険物取扱者/けんかつ市民講師 ほか
所属団体など
朝霞法人会 / 志木市介護保険運営協議会委員
家事に取り組む想い
カジオス®の名前は、家事をする男性の背中を押す、家事をする雄からの着想です。
家事という手段を使って、現役世代の仕事と家事の両立、家事シェアの促進、生きがい・役割の創出、健康寿命の延伸などを実現することで、若い世代が社会保障費負担に押しつぶされず、将来に希望の持てる社会を実現したいと考えています。
2011年3月11日の東日本大震災が、この事業のきっかけです。
私が東日本大震災に遭遇したのは、単身赴任先の宮城県・大衡村でした。
その時は山間部にある自動車製造工場の二階におり、激しく揺れ続ける中で、本当に人生が終わると思いました。
幸いにも完成したばかりの工場は頑丈で、怪我一つなく無事でした。
工場からの帰り、よく食事をしていた同年代のご夫婦が営むお店に寄ると、ほとんどの食器類が床に落ちて割れて散乱し、ひどい状況にご夫婦は落胆していました。
一緒になって片づけを手伝いましたが、店内が片付き綺麗になるにつれ、ご夫婦の気持ちが前向きになるのを感じました。
そして、その震災当日の夜、電気もない真っ暗闇の中で、ご夫婦と翌日からこの店で炊き出しを始めることを決めました。
幸か不幸か、その日の昼間に仕入れをしたばかりの食材が冷蔵庫の中には一杯詰まっていて、プロパンガスの地域で、幸運にも水道が使えました。
3.12に始めた炊き出しは、雪がちらつく寒い時期だったことと、手持ちの食材で少しでも長く続けられるようにと汁物にしました。
お店の前に鍋を出し1杯ずつ渡しましたが、食べている人達を見ると、笑顔になっている人、嬉しそうに家族で話をしている人達がいました。
同じ地域の人達ですから、前日には私と同じように、人生が終わると思ったであろう人達がです。
店の中が片付いたことで気持ちが前向きになり、炊き出しを始めようと前向きになる。
温かい食事を食べて、栄養面だけではなく、精神面からも笑顔がでるほど元気になる。
この時の光景は、掃除や料理の家事が持つ人を元気で幸福にする力を私に教えてくれました。
この頃には団塊の世代が定年退職し、図書館や公園などで多くの男性高齢者を見かけるようになっていました。
昼間は奥様方にとって友達とのランチや習い事で楽しい時間帯でしたが、ご主人が退職すると昼食準備のために拘束されます。
夫が原因で心の病気にかかる「夫源病」という言葉もできていました。
家事についてい調べてみると、諸説ありますが効能が見えてきました。
料理の作業は前頭葉を活性化させ脳に良い。
食材をスーパーに行くことが運動。
掃除は身体活動強度がカーブスに近い、などです。
ということは、家にこもりがちな定年後の男性が料理や掃除の家事をすることで、健康を維持できるのではないかと考えました。
男性高齢者は健康を維持でき、奥様方には自由な昼間の時間が戻ります。
実際のカジオスの講座でも、高齢者が活性化している肌感があり、大学に協力頂き定量的なデータ測定を行ってみると、気分状態がポジティブに変化したり、意欲が向上する等の劇的ともいえる変化が確認できています。
今後もデータ測定を続け、カジオスメソッドによる家事と健康寿命の関係を明らかにしていきたいと考えています。
この様にカジオスは、もともと男性高齢者の方に家事を教えることを想定していましたが、現役で働く世代でも必要とされていることを知りました。
家事、育児、もしかすると介護まで担いつつ社会に出て働いている女性が沢山おり、家事シェアは女性の切実な願いだと。
家事に関しては約8割を女性が担っているとされており、男女の無償労働比較では、女性が男性の5.5倍担っているとするデーター(2020年)もあります。
男女共同参画、女性活躍、働き方改革など、女性が社会で働きやすくなるためには、男女の家事シェアが重要だという事です。
家事代行などにアウトソーシングもできますが、費用対効果で考えると、男性の脳の活性化や運動にもなり一石二鳥だと前向きに捉えて下さい。
カジオスはよく料理教室と間違われますが、掃除、洗濯、整理なども加え、家の中の事をマルチタスクで行うようになる「家事教室」です。
2040年には、高齢者の独居、老々介護だけでなく、家族形態のメジャーは単独世帯で40%に迫ると予測されていますので、男性も全部できた方が何かと都合の良い時代になってきます。
また、家庭内の料理/掃除/洗濯などの家事は、マルチタスクで進められている頭脳労働ですので、仕事の能力が活きますし、逆に仕事にも活かせます。
このような状況ですが、男女の家事シェアが劇的に進むことはなく、古典的な役割分担意識が残っている感じを強く受けます。
その原因の1つは、女性目線でばかり家事が語られている事です。
家事をするお母さんを手本として見て育ってきた女性と、働くお父さんを意識しながら育ってきた男性では、家事に対する視界や知識や考え方が大きく違い、ここの擦り合わせがないまま「女性が正解!」となると軋轢が生まれます。
カジオスは、この様な感情的なやり取りになりがちな過程でクッション材となり、ロジカルでクリティカルに家事シェアの促進を図ります。
男性には男性なりの家事に関わるアプローチがあると考えています。
家事と仕事は似ている点が多くあり、仕事力が家事力をつけるうえで非常に役に立ちます。
また逆に、家事をすることは仕事のシミュレーションになり、生産性も上げると感じています。
「段取り」「予算管理」「納期管理」「衛生管理」・・・
このような点を考えると、男性に家事は案外向いているということに気が付きます。
子どもも料理をすると脳の前頭葉が活性化するとの研究結果があります。
やり方次第で、これは家事全般について当てはまるのではないかと考えています。
コンピューターやAIが普及していく中で、人間らしい想像力を養う重要性は増すでしょう。
本来は生活の基本となり、人を元気で幸福にするはずの家事が、負担感で人を不幸にしつつあります。
男性が外で稼ぎ、女性は家を守る、という時代ではなくなりました。
定年退職すれば尚更の事で、人生100年時代と言われ、定年退職後が余生ではなくなりました。
育児介護休業法も改正され、働き方改革、ワークライフバランスなど、男性も家事をした方が生きやすい時代が既に来ています。
家事を楽しむ男たちが未来を明るく元気にする!と信じて活動しています。